専⾨研修(後期研修)プログラム

内科専⾨研修プログラム


内科は一つ、アメリカ型GIMの体制で運営しています。当院は丹波医療圏の基幹病院であり、commonな疾患は勿論、uncommonな疾患もあつまり、プログラムに沿った多種多様な疾患が経験できます。内科後期研修医(専攻医)、二年目研修医と一年目が主治医団を形成し、入院診療にあたっています。
内科には循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科、感染症内科、緩和ケア内科の専門医・指導医が常勤しており、入院患者の専門的指導をおこなっています。内科外来では、神戸大学からの非常勤医師の応援・指導をうけており、上記以外に脳神経内科、膠原病・リュウマチ内科、腫瘍血液内科、糖尿病内科、心と記憶の診療などの専門外来がひらかれており、希少疾患の経験も可能です。
救急専門医も2名常駐しER型救急としての救急患者を多く経験できます。
また、希望があれば特殊検査として心臓カテーテル検査、経食道心エコー検査、上部・下部消化器内視鏡検査、超音波内視鏡検査、気管支鏡検査、腎生検などの修練も可能です。

兵庫県地域医療総合診療専⾨医プログラム


2018年4月より日本専門医機構の新しい専門医制度がスタートしました。

県立丹波医療センター(旧:柏原病院)を基幹病院とする総合診療専門医プログラム「兵庫県地域医療総合診療専門医プログラム」には、2022年度においては、新規に4名の専攻医の受け入れを予定しています。年度毎では2018年度4名、2019年度2名、2020年度5名、2021年度1名の新規専攻医登録があります。また同じく2015年度以前の卒業医師が対象の日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療後期研修プログラムの「地域総合医プログラム」においては、3名がプログラムを修了し、家庭医療専門医として活躍しています。 総合診療の専攻医数は、近畿圏内で最大の専攻医数であり、全国でもトップクラスです。

現在6名が県立丹波医療センター及び丹波市ミルネ診療所で研修しています。 他に、公立神崎総合病院、公立豊岡病院、出石医療センター、公立浜坂病院、公立香住病院等で研修をしています。毎週1回定期的に専攻医・指導医間での交流・勉強会も行っております。 また、当地域医療教育センタ―では、院内各科や近隣医療機関・連携医療機関、丹波市の力をお借りしながら、多種多様な疾患や健康問題を持つ高齢者に対して効果的な医療が提供でき、地域包括ケアに対応したリーダーシップをとれる総合的診療能力を有する医師の養成に取り組んでおります。

地域医療に貢献したい方、診療所・在宅医療を主とする家庭医療志向の方、病院でのマネジメントを主とする病院総合診療医(ホスピタリスト)志向の方、医学教育に興味のある方、診療と平行して臨床研究に携わりたい等、多様な総合診療医のニーズにすべて答えることのできる総合診療プログラムを準備しております。 新家庭医療専門医、病院総合診療専門医、内科とのダブルボードにおいても、いずれも最短で取得が可能です。

連携施設プログラム等

⼩児科

当院は基幹小児科医専門研修病院の協力型病院として、主に地域診療研修の面から小児科専門医受験資格習得をサポートします。指導医3名で指導し、以下の内容で研修を行います。
期間は半年間が基本ですが、3か月~1年間まで希望に応じ期間を設定できます。

1外来/救急診療
都市部と違い、診療の地域/救急搬送地域が広い、診療所に逆紹介することが少なく通常診療はほぼ当院の中で完結する、サブスぺシャリティーに細分化していない分種々の分野の症例や境界領域を診ることも求められる、また地域の経済的・社会的特徴をつかむことを学ぶ。

2入院診療
①各分野にこだわらない症例担当で小児科専門医用提出レポート症例診療の経験を増やす。
②周辺に診療所/一次救急小児科がある都市部と違う社会状況であり、重症症例中心の基幹病院小児科と違う入院診療方針を学ぶ。
③地域診療でマンパワー/医療機器に限界があり、集中治療や高度医療、手術を求められる小児外科疾患など、当院で治療完結できない症例に対する対応を学ぶ、また重症患児搬送のノウハウも学ぶ。

3学術活動
小児科専門医取得のための症例取得やMini-CEXなど受験必要資格の取得/指導、小児科学会兵庫県地方会を中心とした学会発表や論文執筆の指導、定期抄読会や産婦人科との合同カンファレンスの開催、当院で定期開催している新生児蘇生法講習会Aコース・Sコースへの参加など。

4医師間交流/指導
当院および県立加古川医療センター初期研修医の指導に当たる役目がある。教えることは自分の研鑽につながる。また小児科ではない地域総合医療専攻医も当科で研修を行うため、同年代の他科と一緒に診療し情報を教える/教えられる経験も積むことができる。

外科

神戸大学を基幹施設とする、食道胃腸・肝胆膵・乳腺内分泌など外科6分野に加え、災害・救急医学分野とも連携して、各専攻医のキャリアパスに応じた効率的で自由度の高い外科専門研修を行える内容となっている。
当院での外科専攻医は、食道胃腸・肝胆膵・乳腺内分泌+救急の診療が主体であり、手術は基本的に術者として参加する方針で、指導医のもと必要十分数の手術経験と技術習得が可能である。客観的・多角的な指導で主治医執刀制・責任主治医制を取り、積極的な学術集会参加や週1-2回の大学応援医師による指導などで広範囲で最新の知識吸収を図り、総合的な実力を身に着けることを目標としている。また地域医療を担う戦力として第一線で能動的に活躍することにより、医師としての責任感や倫理観を涵養する重要な機会を得ることができている。また希望すれば、専門研修期間中に神戸大学大学院に進学することも可能である。

整形外科

当院は丹波医療圏の基幹病院であり、整形外科領域の救急外傷から慢性疾患まで、プログラムに沿った多種多様な疾患を経験できます。
救急外来では、専門医2名とも協力して二次救急を担っており、四肢の外傷から骨盤骨折まで幅広く受け入れています。専攻医はこれら年間200例程の外傷手術のほぼすべてを担当し、2名の指導医のもと、各種骨接合術や人工骨頭置換術、腱縫合術などを執刀することができます。
また、人工関節センターを設置して人工股関節置換術と人工膝関節置換術を年間60例以上実施しており、どちらも筋肉をまったく切らない人工関節手術が経験できます。

産婦⼈科

丹波医療センター産婦人科は、神戸大学産科婦人科専門医研修ブログラムをはじめとする、阪神間の基幹研修施設に連携する連携施設であり、指導医も2名在籍しています。分娩施設や産婦人科医療施設の減少が進む兵庫県内陸部において、地域における産婦人科中核病院としての役割を担う病院であり、産婦人科各領域の症例が集まる病院です。周産期領域では合併症妊娠やハイリスク妊娠を含む妊娠・分娩管理を、婦人科では良性疾患から悪性疾患までの手術治療、女性ヘルスケア、内分泌疾患と、広い範囲の産婦人科研修を行うことができます。研修においては指導医とともに、様々な領域の患者を担当することにより、産婦人科に必要な診療姿勢、診断技術、治療技術を身につけることを目標とします。具体的には、分娩の担当や、基本的な手術術式の第一助手を担当し、経験を積んだ上で執刀医としての技術を習得します。また、腹腔鏡や子宮鏡など用いた最新の内視鏡手術手技も研修できます。外来研修では、外来指導医のもと担当患者の診断や治療もおこないます。

眼科

日本眼科学会専門医研修カリキュラムに沿い、眼科診療に必要な知識・技術・態度の習得を行います。神戸大学眼科およびその関連病院と連携を取りながら、眼科専門医の取得を目標とした研修を行っていきます。
当院は丹波医療圏の中核病院であり、幅広い領域の眼科疾患を体験できます。特に斜視・神経眼科においては専門外来を設けており、専門医から直接指導を受けることができます。
手術は、白内障手術、網膜硝子体手術、緑内障手術、斜視手術、眼瞼手術を中心に数多くの症例があり、指導医のもと早期から執刀医としてもかかわって行くことで、必要十分な手術経験を積むことができます。
また、地域医療を学ぶ場として、健診センターを通じた眼科の予防医学や視覚リハビリテーションとしてのロービジョンケアにも力を入れています。
当院では、指導医によるマンツーマン指導と、1つ1つの症例を丁寧にしっかりと診ることを大切にしており、安心して研修を行うことができます。

泌尿器科

丹波医療センター泌尿器科は神戸大学泌尿器科専門研修プログラムに参加しています。
当院は丹波医療圏の中核病院で、泌尿器科各種疾患を経験できます。経尿道的手術、腹腔鏡手術、ESWL等の手術や、各種検査に主治医、術者として主体的に関わり研修します。腎細胞がん、尿路上皮がん、去勢抵抗性前立腺がんの各種化学療法(抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、新規抗アンドロゲン薬など)も学ぶ事ができます。
また、泌尿器科地域医療に独力で対応する為に必要な手技、診断力を養います。

病理診断科

救急科

当院は兵庫県立加古川医療センター、兵庫県立西宮病院救急科専門研修プログラムの研修関連施設となっています。当院では各プログラムでの救急専門医取得にあたり必要とされる地域医療での救急研修の3か月を担います。
当院はwalk-inから救急車搬送患者まで幅広いER救急を特徴としています。初療室3室と観察ベッド5床を救急部内に設置し、屋上にはヘリポートがありヘリコプター搬送による患者など多くの救急患者を受け入れています。
2年目と1年目研修医が屋根瓦形式で常時救急部をローテイトしており、専攻医には研修医の指導・教育をしていただきます。
また、院内にはワークステーションが設置されており(週1日数名の救急隊員が常駐)、救命救急士の指導にもかかわっていただきます。経験は勿論大切ですが、教育ほど能力を上げるものはありません。
救急専門医ならびに各科指導医のもと、内因性ならびに外因性の多種多様な救急症例が経験できます。