治験・製造販売後調査及び臨床研究等について

治験・製造販売後調査及び臨床研究等について

当院では、医療・医学の発展・進歩の⼀翼を担うため、治験、製造販売後調査及び様々な臨床研究等に取り組んでいます。

治験について

新薬が病院で患者さんに使われるようになるには、10年以上の歳⽉の開発期間がかかります。
その開発の最終開発段階には多数の患者さんのご協⼒を得て、有効性と安全性のデータを収集・解析し、その結果を厚⽣労働省に提出し、製造承認の申請をします。その有効性と安全性のデータを収集するために、医療機関は厚⽣労働省の承認を得て、その薬が「安全に使えるか」、「効き⽬があるか」、また「現在、医療機関で使⽤されている薬よりも優れているか」など、その有効性と安全性を詳しく調べる試験を⾏います。

製造物販売後調査

厚⽣労働省の承認がおりて発売された医薬品や医療機器が、⽇常の診療において使⽤されたときの有効性や安全性を確認する市販後調査を⾏います。また、治験では得られなかった医薬品や医療機器の適正な使⽤についての情報、副作⽤情報などを集める業務を⾏います。

臨床研究等について

「臨床研究」は、病気の予防・診断・治療⽅法の改善や病気の原因の解明、患者さんの⽣活の質の向上を⽬的として⾏います。そして、より良い標準治療の確⽴を⽬指して研究を⾏います。

1 倫理審査委員会

当院に所属する医師等が⾏う医療⾏為、臨床研究及び医学教育に関し、倫理的、社会的及び医学的観点からの審議を講じることにより、患者さん等の⼈権及び⽣命の擁護を図ることを⽬的として、倫理審査委員会を設置しています。
倫理審査委員会では、当院⻑の諮問に基づき、次の事項について審議します。

① 具体的な個々の医療⾏為等に関する事項で検討を必要とするもの
② 医の倫理のあり⽅に関する基本事項で検討を必要とするもの

2 オプトアウトについて

臨床研究等は原則として、⽂書もしくは⼝頭による説明・同意のうえで⾏います。⼀⽅、患者さんへの侵襲や介⼊を伴わず、既存の診療情報等のみによって⾏う場合は、国が定めた指針に基づき、個別の説明・同意によらず、研究の⽬的や概要などの公開と情報利⽤を拒否する機会を保障することによって実施することができます。このような⼿法を「オプトアウト」といいます。当院においてオプトアウトの対象となる研究は次のとおりですので、対象となる患者さんのうち、研究への協⼒を希望されない⽅は、それぞれの⽂書内に記載されている各研究の担当者までお問い合わせください。

研究部⾨ 研究課題名
地域医療教育センター インフルエンザの臨床症状の調査(観察研究)
整形外科 ⽇本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究
地域医療教育センター ファビピラビル等の抗ウイルス薬が投与されたCOVID-19患者の背景因⼦と治療効果の検討(観察研究)
地域医療教育センター COVID-19 に関するレジストリ研究
地域医療教育センター たこつぼ型心筋症の予後に及ぼす性差・年齢の影響および再発規定因子に関する研究
産婦人科 日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会の調査として行われる研究「本邦における月経異常診断の実態調査」に係る協力(匿名化された診療情報の提供)
内科 様々な炎症性疾患における免疫系の役割に関する網羅的検討
内科 IgG4関連疾患を対象とした長期予後の多施設共同観察研究
内科 AIを用いた膵癌の早期発見・診断システムの開発」について
検査・放射線部(検査) 進行卵巣癌・卵管癌・腹膜癌症例における体腔液セルブロックを用いた免疫染色の検討
内科 進行再発肺腺癌における TTF-1 発現と免疫化学療法の効果に関する検討
地域医療教育センター 訪問診療における病院死と在宅死に影響を与える因子の検討
地域医療教育センター 地域医療の効率化を目指した人工知能による往診要請予測モデルの開発
麻酔科 レミマゾラムによる全身麻酔が術後せん妄、術後の急性腎障害、そして術後の嘔気嘔吐に及ぼす影響の研究―後ろ向き観察研究―

また、現在、以下の臨床研究等も⾏っています。